角膜を削らない最新の視力矯正手術とは?

白内障の手術では、水晶体を砕いて取り出し、その代わりに眼内レンズを挿入するというものでした。このような治療は、主に、60歳以上の白内障が始まっている人に向けて行われています。

こういった小さな切開創から眼内レンズを挿入するという技術は、昔はとても難しかったのですが、白内障以外のまだ若い人への近視や乱視の視力矯正手術でも応用されるようになりました。

それが、ICL「眼内コンタクトレンズ」というもので、レーシック合わないとされた人に対しては朗報といえるでしょう。

このICLは、「有水晶体眼内レンズ挿入術」と呼ばれるように、水晶体は温存したまま、小さなレンズを眼の中にインプラントするというものです。

レーシックの場合は、角膜の表面にフラップを作ってめくり、レーザーで角膜を削ってからフラップを元に戻す方法を用います。

一方、このICLの場合には、約3mmの切開創から折りたたんだ眼内コンタクトレンズを虹彩と水晶体の間に挿入するものです。

特色としては、レーシックでは、角膜を削るために治療前の状態に戻すことはできませんが、ICLでは、万一の場合には挿入した眼内レンズを取り出すことが可能です。さらにICLはレーシックでは難しかった薄い角膜厚や円錐角膜などの症例にも対応でき、強度近視の場合でも鮮明な視界が維持されます。

レーシックは非常に安全で精度の高い手術ですが、角膜を削るために高次収差が増加することがあり、個人差はありますが、矯正量が多くなると鮮明さやコンストラストの低下や、ぼやぼやにじみが出現することがあります。

ICLの場合には、そのような心配がないのが特徴です。

片眼10分の日帰り手術が可能に

白内障手術でも同じですが、やはり眼を手術するとなると心配なのは、その安全性ではないでしょうか?

ICLは特に欧米で人気があり、今では世界60か国以上で行われている手術です。アメリカのFDAの認可を受け、日本でも2010年に厚生労働省の認可を受けており、安全性も確認されております。

レンズの素材はコラマーと呼ばれるコラーゲンを含む生体適合性の高い新水性素材でできており、眼の中で異物として、認識されにくいという特徴があります。

ただ、ICLの手術は専門の講習を受けた認定医が行わなければなりませんので、どこの眼科でも行っているわけではありません。

手術に要する時間はレーシックの場合よりもやや長く、片眼に対しておよそ10分から15分かかりますが、両眼の手術が同日にできるため日帰りの手術が可能です。

眼を気にせず、スポーツを楽しみたい人へ

有水晶体眼内レンズ挿入術はこのICLの他にフェイキックIOLがあります。

ICLの場合は虹彩と水晶体の間に後房型レンズを入れますが、FaceキックIOLの場合は角膜と虹彩の間に前房型レンズを入れます。

フェイキックIOLは2004年にFDAの認可を受けた方法ですが、既に約30万人の人が治療を受けております。

ICLはUVカット率が高く有害な紫外線から瞳を守ることができるので眼のことを気にせずスポーツを楽しみたい人にもいいでしょう。